しつけについて 引き運動って!? 編 |
■引き運動って必要!?
ワンちゃんは犬舎に入れたり鎖でつないだりして飼わなければいけません。飼い主にはその管理義務があり、放し飼いなど論外になります。しかし、ワンちゃんは遠く野生時代のなごりで、走ったり動いたりといった活動的なことを欲する動物です。犬舎や鎖で拘束したまま飼い続けると運動不足に陥ったり、欲求不満でストレスがたまったりします。したがって1日に一定時間屋外で運動させることは、ワンちゃんの健康管理にとって大変に重要なことなのです。
またワンちゃんと生活をするということは、ワンちゃんにも社会生活を守ってもらわなければなりません。屋外の引き運動はその社会生活上のルールを教える機会でもあります。しつけとは芸を教えることではなく、してよいこと、悪いこと、他に迷惑をかけないことを覚えさせることなのです。
運動させること、ルールを覚えさせることが引き運動の目的ですが、あまり神経質になる必要はありません。飼い主とワンちゃんとの信頼関係を深めるためのコミュニケーションの手段として考えてください。なお、飼い主のマナーが問われるのが引き運動中のワンちゃんの排泄物の処理です。どんな場所であろうと便をさせたのなら、飼い主の責任として丁寧に後始末をしてください。そのためには紙、ビニール袋、小さいスコップ、専用のちりとりなどが必携品です。
自動車の騒音や見知らぬ人たちなどワンちゃんを驚かせることは数多くあります。無理に連れ出してワンちゃんを驚かすようなことは決してしないでください。初めは家の周辺や近所まで連れ出し、少しずつ慣らしていきます。ちょっとでも驚いて逃げて帰ろうとしたらなだめて安心させます。音をあまり気にとめなくなって、地面をかぐだけの余裕が出てきたら、距離を徐々に延ばしていきましょう。
■引き運動っていつごろから?
生後1ヶ月を過ぎたら首輪を慣らすようにします。最初はリボンのように、軽くてワンちゃんがあまり気にしないものをつけてやります。慣れてきたら普通の首輪を付けますが、子犬や小型犬の場合は丸首輪やナイロンのごく軽い首輪を選びます。ワンちゃんの成長に合わせることも忘れないようにしましょう!
生後90日くらいまではとくに定めた運動は必要ありません。子犬は動きまわって遊ぶことを日課としていますので、それだけで十分だと思われます。
生後4〜5ヶ月になったら、引き運動というより軽い散歩という感じで、ごく近くを歩かせるようにします。このとき、引きヒモや首輪を装着して慣らしておくとよいでしょう。
生後6ヶ月を過ぎたら本格的な引き運動を始めてください。1日2回、朝夕一定の時間におこなうようにします。
最初は外の環境を怖がったり、嫌ったりする犬もいますが、回数を重ねるうちに慣れてきて喜ぶようになります。犬種によって1日に必要な運動量や内容などのメニューが異なります。ワンちゃんの体力に応じた引き運動をおこなうようにしましょう。また、成長過程で無理に引き運動をおこなうと、前足に負担がかかって曲がってしまうことがあります。時期や方法を間違えると引き運動も弊害があるので十分に注意してください。
■引き運動の方法って?
ワンちゃんには必ず引きヒモ(リード)をつけて引き運動をおこなう・・これがまず基本になります。飼い主がどんなに安全だと思っていても、ワンちゃんは動くものや逃げるものを追いかける習性があります。引きヒモでつないでいないと不測の事態も起こりかねません。
次に引き運動の時のワンちゃんの位置ですが、飼い主の左側に並んだ位置になります。この位置で飼い主の歩く速度に合わせて歩くようしつけていきます。しかし最初のうちはなかなかうまくいきません。引きヒモを強く引いて前に出たがったり、大きく横のほうにそれたりします。そういう時は引きヒモでショックを与えることで修正します。まず引きヒモを一度ゆるめてから、グッと強く引いてワンちゃんの体を定位置にもどしていきます。ただし、これをやりすぎるとワンちゃんの気管を痛めますので注意してください。
中にはぐいぐい引っ張ってくるワンちゃんもいますが、そういう時には手にしたヒモをたたきつけるようにして、ワンちゃんの背中を打ちます。また、ヒモの端を長く伸ばして持ち、ワンちゃんの顔の前でクルクルとプロペラのように回すのも効果的です。ワンちゃんがヒモを強く引くと同時に、強いショックを与え、やめるまで何度も繰り返すと言う方法もあります。
いずれにしろ引き運動もしつけの一環です。あせらず気長に教えていく姿勢が望ましいと言えます。
■引き運動中の注意点って?
引き運動は、飼い主とワンちゃんとのコミニュケーションをはかり、ワンちゃんの必要とする運動量を消化することが目的です。しかし、それだけではなく、ワンちゃんに外の世界のルールを教えるという目的もあります。
まず、通行人などに吠える時は厳しく「ダメ」と吠えてやめさせます。同時に引きヒモを強く引いてショックを与えると効果的です。人に対してだけではなく、よそのワンちゃんに吠えかかる時も同様にしてやめさせますが、相手がはるかに大型のワンちゃんだったら飼い主が抱きかかえて避けたほうが無難です。
また、道に落ちているものを食べる「拾い食い」は絶対にさせてはいけません。もし食べようとしたら、直前に「ダメ」と叱り、引きヒモを強く引いてやめさせます。「拾い食い」の悪癖を許すと病気の原因になったり、食べ物にだらしないワンちゃんになってしまいます。成犬になってからでは矯正しにくいので子犬の頃から厳しくしつけておくことが必要です。
このほか他のワンちゃんの排泄物に近寄ったり道端の雑草を食べようとした時もやめさせてください。伝染病に感染したり、寄生虫の卵を食べてしまうというような恐れがあるので注意しましょう。
よく引きヒモをつけない状態で散歩させている飼い主がいますが、絶対にやめてください。ワンちゃんの体型の大小に関係なく、ワンちゃんが嫌いな人もいますし、吠えかかったり飛びついたりした時に制することが出来ません。また、走り出して交通事故にあったりすることもあります。引きヒモをつけないことは、飼い主自体が重大なルール違反を犯していることになります。
中には、他人から声をかけられるとうれしがり、いつまでも後を追うワンちゃんもいます。せっかく声をかけてきてくれているのに、叱ってまで引き戻すのは相手に悪いような気がして、つい見逃しがちです。こんな時はヒモのショックだけを使ってやめさせるようにしましょう。そのためにもショックに対して敏感にさせておく必要があります。
■引き運動の量や内容って?
ワンちゃんは一般的に体型が大きくなるほど、多くの運動量を必要とします。したがって犬種によって1日におこなう引き運動や内容は違ってきて当然です。室内で生活している超小型犬、小型犬などの愛玩犬はとくに屋外に連れ出して引き運動をおこなう必要はありません。おこなうにしてもが息に少し触れさせるという意味で少しの間引きヒモをつけて散歩させる程度でよいでしょう。
屋外で生活している小型犬には、1日最低でも30分以上の引き運動をおこなってください。中型犬、大型犬になると1日に朝夕2回少なくとも1時間程度はおこなってください。歩いたり走ったりとかペース配分に変化をつけると効果的です。超大型犬は大きいだけに動きが緩慢です。その分時間をかけてワンちゃんの歩調に合わせておこなってください。中型犬、大型犬は力も強く、引き運動で手にあまることがあります。その時は訓練士に頼んで基本的な訓練をしてもらいましょう。それと同じ方法でおこなえば楽に引き運動が出来るようになります。
自転車での運動は、小さいうちは無理ですから生後8ヶ月から1年ぐらいから始めるようにします。初めは自転車に慣らすことからはじめます。左手にワンちゃんのヒモを持って自転車を押して歩きます。怖がらずに歩けるようになったら自転車に乗っても大丈夫です。外出するうれしさで興奮して、飼い主が自転車に乗ったとたんに走り出すワンちゃんがいますが、歩く時と同じように静かに横について走るようにしつけなければいけません。
散歩の時は、自宅の庭や出来るだけ人の迷惑にならない場所を選んで排便を十分にさせ、きれいに片付けてから出かけるようにします。途中でそのような様子を見せた時は、「ダメ」などと声をかけ、我慢させて人目のつかないところへ連れて行きましょう。もちろん便の処理の用具を忘れずに持ち歩きます。
※ここに記載してあるものはあくまでも参考資料です。わからないことは獣医さん等にご相談ください。 |