しつけについて これって基本!? 編

■トイレのしつけって!?

 

新しい環境に来たワンちゃんは、最初に排尿したところをトイレと決める習性があります。ワンちゃんを迎える前にトイレの場所をあらかじめ決めておき、習性をうまく利用してトイレの習慣をつけさせましょう。


しかし、ワンちゃんと一緒に生活をするようになって飼い主を悩ませる最大の問題はトイレのしつけに関することだと思われます。特に室内犬の場合、部屋のあちらこちらで便や尿をされてはたまったものではありません。
排泄をする場所が一定しないということは、ワンちゃんの欲求不満やストレス、発情期など内面的原因で起こることもありますが、大半はトイレのしつけが充分でなかったことが原因となります。


我が家にワンちゃんを迎え入れたら、なるべく早い時期からトイレのしつけを始めます。まず、一定の場所にワンちゃんの居場所として犬舎や寝箱を設けてやり、そこで1日中生活することを覚えさせます。ワンちゃんは本能的に自分の居場所を排泄物で汚すことを嫌いますので、用を足したくなったら、外に排泄場所を求めるようになります。その機会を利用して、一定の場所に設けてあったトイレに連れて行き、用を足させます。これを根気よく何度か繰り返していけばトイレの場所を覚えるようになります。


最初はワンちゃんがどのような時、トイレに行きたくなるかを飼い主が知ることも大切です。ワンちゃんは十分に遊んで寝た後や食事の後など、尿意、便意をもよおします。落ち着かずうろうろし始めたり、クンクン泣き始めたら要注意。すぐにトイレの場所に連れて行くようにします。


トイレできちんと用を足したら、オーバーなくらいに誉めてあげましょう!反対にトイレ以外の場所を汚したりした時は、即座にその場で排泄物にワンちゃんの鼻先を近づけるようにして厳しく叱ってください。なお、トイレは必ず一定の場所に決めてください。あちらこちらに移動させると、ワンちゃんが混乱してしまいます。何度か用を足したトイレには、少し排泄物の匂いを残すようにするのも早く覚えさせるコツといえるでしょう!

 

■犬舎(ハウス)のしつけって?

 

犬舎のしつけはワンちゃんを迎え入れたその日から始まります。事前に用意していた犬舎や、寝箱にまずワンちゃんを休ませます。以後、必要以外はそこで生活するようにしつけます。ワンちゃんが我慢できずに勝手に犬舎から出ている時は、犬舎に連れもどし「ハウス」と厳しく命令して、体を犬舎の中に押し込みます。このしつけも反復が必要です。命令どおりするまで続けてみましょう。


ハウスの命令を聞くようになったら「ヨシ」と言って外に出してやり、思い切りほめることも忘れないようにします。特に室内犬の場合「ハウス」のしつけを怠ると、ワンちゃんは家全体を自分のテリトリーと思い込み、さまざまなトラブルを生み出します。


たとえば家庭にはワンちゃんと直接接しないほうがよい、乳幼児や老人がいる場合があります。大切な来客との用談中や家族の食事の時、周囲をワンちゃんに走りまわられたのではたまりません。また、留守にするとき室内の器物を壊したり、汚したりするという心配もあります。


ハウスのしつけさえ出来ていれば飼い主の都合で一時的に犬舎に拘束しておくことが出来ます。ワンちゃんを迎え入れることは共同生活を始めることですので、守るべきルールは守らせることが必要です。
いくらハウスのしつけをして、テリトリーをはっきりさせても、1日中ワンちゃんを犬舎に拘束させておくことは出来ません。ワンちゃんは本来、好奇心旺盛で、冒険が大好きな動物なのです。しっかりと運動させて、一緒に遊んでやってこそハウスのしつけが生かされるのです。閉じ込めるためのしつけでは本末転倒です。

 

■「ヨシ」と「ダメ」のしつけって?

 

しつけに用いる言葉は短く、わかりやすい言葉が必要です。一定の命令には一定の動作にするとワンちゃんも理解しやすくなります。これらの言葉を家族全員で統一しておくことが必要です。また、各個人が命令する時も、同じ内容の命令には必ず同じ言葉を用いるようにしましょう。色々な言葉で命令されるとワンちゃんは混乱し理解できなくなります。
しつけの基本は飼い主の命令に従ったときに「ほめる」ことと、命令に従わなかったり、悪いことをした時に「叱る」ことの二つになります。「ほめる」時は「ヨシ」、「叱る」時は「ダメ」の言葉を用います。この「ヨシ」と「ダメ」をしっかりとワンちゃんに覚えさせれば、後のしつけも楽になります。

 

@ 「ヨシ」(または「ヨシヨシ」)



飼い主の命令どおりに行動したのをほめてやるときに用います。言葉と同時にワンちゃんの体をなでたり、さすったりと、飼い主も精一杯のパフォーマンスでほめてあげましょう!また、「ヨシ」はワンちゃんを一定の拘束から解除する時にも用います。たとえば犬舎から出てよい時や食事を始めてよいときにも「ヨシ」と命令します。この場合、ほめるときと違って命令なので口調を厳しくします。

 

A 「ダメ」(または「イケナイ」)



ワンちゃんが飼い主の命令を聞かなかったり、悪いことをした時に用います。叱る言葉ですので、飼い主の意思が確実にワンちゃんに伝わるように厳しい口調で命令してください。中途半端な口調では、ワンちゃんは自分が悪いことをして叱られているということを認識できません。幼いワンちゃんであっても後々のしつけを考えて心を鬼にして厳しい態度で接してください。


ただし、叱る時は必ず悪いことをしたその時、その場で叱るようにしましょう。時間や場所が変わった後に叱ってもワンちゃんは忘れていて効果はありません。「ヨシ」と「ダメ」のしつけではワンちゃんに対しての態度に著しく差をつけるのが効果的です。よいことか悪いことかによって、飼い主の態度が極端に異なればワンちゃんも覚えやすくなるからです。

 

ワンちゃんのしつけは「叱る」ことと「ほめる」ことをしっかりと使い分けることが大切です。しかし初期の教え方としては、「ほめる」ことのほうがより大切です。ワンちゃんにとってはほめられる行為が良い行為だと理解できるからです。スキンシップを十分にしてワンちゃんをほめてあげましょう!

 

■「コイ」「マテ」「スワレ」「フセ」のしつけって?

 

「ヨシ」と「ダメ」のしつけを覚えたら「コイ」「マテ」「スワレ」「フセ」などを教えていきます。これだけのしつけをマスターしたらワンちゃんの管理は大変楽になります。ただし、あせらず、じっくり反復させてください。一度に複数のことを教えようとしても無理があるので、必ずひとつを覚えさせてから次に移ってください。また、厳しくしつけるだけでなく、ワンちゃんが命令どおりに行動したら必ず体をなでたりさすったりオーバーなほどほめることが大切です。方法としては最初は引きヒモをつけて、それが出来るようになったらフリーの状態でも出来るように訓練しましょう。

 

@ 「コイ」

 

まずはワンちゃん側に立ち、持っている引きヒモの長さの分だけ離れてしゃがみます。「コイ」と命令して引きヒモを軽く引きワンちゃんを手元に呼び寄せます。手招きなどの動作も入れると良いでしょう。命令してもワンちゃんが最初の位置から動こうとしないときは、引きヒモを少し強く引きます。また、命令する前に最初の位置から動こうとしたら厳しく制止します。

 

A 「マテ」

 

「マテ」はワンちゃんを一定の状態に制止させておくことです。応用範囲の広い重要なしつけだと思ってください。ワンちゃんを座らせたまま、引きヒモの長さ分だけ離れてしゃがみます。ワンちゃんが動こうとしたら、手のひらを突き出すようにして「マテ」と制止します。何度も反復して教えましょう。なお、「ヨシ」は「マテ」の解除命令ですので、この2つは関連させて教えると良いでしょう。「マテ」は食事の時に教えると効果的です。食器に口を近づけようとしたら、すかさず「マテ」と言ってあごの下に手を入れてワンちゃんの頭を持ち上げてください。少し待たせてから「ヨシ」と命令して食べさせるようにします。ただし、ことが食事ですのであまり長時間待たせることはおすすめしません。最初は短く、少しずつ待たせる時間を長くするようにしてください。

 

B 「スワレ」

 

ワンちゃんが自然に座った状態になるように命令します。「マテ」と合わせて教えると、ワンちゃんを座らせたまま待たせることも出来ます。ワンちゃんのそばにしゃがんで、「スワレ」と命令したら片手に持った引きヒモを上に引いて、もう片方の手でワンちゃんの腰を押しさげるようにします。ワンちゃんが途中で腰を上げようとしたら、再び同じ方法で座らせます。何度も反復して教え、静止いた状態で座ることができるようにしつけます。

 

C 「フセ」

 

伏せの姿勢を保たせる「フセ」のしつけは普段あまり必要ありません。しかし、怪我や病気などの応急処置をおこなう時や、被毛の手入れをおこなう時のために教えておくと便利です。「スワレ」の状態から「フセ」と命令して、引きヒモを下方に引いて腹ばいの姿勢をとらせます。嫌がる時は片手で両前足を手前に引いて補助すると良いでしょう。

 

よく飼い主に「オテ」「オマワリ」などの芸を教えようと必死になる人がいますが、これはしつけではありません。しつけというのは、生活のマナーを教えることで、芸を教えることは訓練と呼びます。このような訓練は、あくまで飼い主とワンちゃんのコミュニケーションの手段として教えていくと良いでしょう。ワンちゃんと楽しみながら、あせらず、じっくりと教えていきましょう!

 

コイ
こちらに呼ぶ
ヤメ
悪さなどをやめさせる
マテ
そのまま短時間制止
ツケ
左側につけさせる
スワレ
座らせる
モッテコイ
ものを命じて持ってこさせる
フセ
伏せさせる
ダセ
くわえている物を離させる
ヤスメ
長い時間休みの体勢で待たせる
トベ
障害物を跳び越す
トマレ
歩いたり、走ったりをやめる
ホエロ
吠えさせる

 

※ここに記載してあるものはあくまでも参考資料です。わからないことは獣医さん等にご相談ください。